「ベントラルスロット術」とは、椎間板ヘルニアや脊髄の圧迫に対して行われる外科手術の一つで、主に首(頸部)に発生した神経の圧迫に対して実施されます。 首の骨の下側(お腹側)からアプローチして、ヘルニアで飛び出した椎間板の一部や、圧迫している骨の一部を取り除くことで、神経の圧迫を緩和する方法です。 この手術によって、痛みやしびれ、ふらつき、麻痺などの神経症状を改善させることが期待できます。
ベントラルスロット術は、以下のような症状が見られたときに検討されます。
これらの症状があり、内科治療(薬や安静)で改善が見られない場合や、症状が重度な場合には、外科的な治療が必要となることがあります。
当院では、神経外科の専門設備と麻酔管理体制を整え、ベントラルスロット術にも対応しています。 手術は顕微鏡や専用ドリルなどの医療機器を用い、安全かつ丁寧に行います。 術後は入院していただきながら、痛みの管理、排尿の確認、歩行リハビリなどを段階的に進めていきます。 多くの症例で、手術後に症状の改善が見られ、元気に歩けるようになる子も少なくありません。
首の神経は、非常に繊細で、放っておくと悪化することもあるため、早期の診断・治療がとても大切です。 「歩き方が変」「前足がふらつく」「痛そうにしている」など、気になる症状がある場合は、早めにご相談ください。 CTやMRI検査による詳しい診断から、治療方針のご相談まで、しっかりとサポートさせていただきます。
ある日、ワンちゃんが突然立てなくなった(起立困難)とのことで、当院に来院されました。 神経学的な検査を行ったところ、四肢すべてに麻痺が生じている疑いがあり、脊髄の障害が強く疑われました。 詳しく調べるために、麻酔下でMRI検査を実施した結果、第5?6頸椎に重度の椎間板ヘルニアが確認され、これが症状の原因(責任病変)と診断されました。 症状の発症から10日目に、神経の圧迫を取り除く手術(ベントラルスロット術)を実施しました。 手術の翌日には、自分で立ち上がることができるようになり、ふらつきながらも歩行が可能となったため、無事に退院となりました。

MRI検査による責任病変の評価

MRI検査による責任病変の評価

手術用顕微鏡下での視野。椎間にアプローチするためのスロットの作製

手術用顕微鏡下での視野。椎間にアプローチするためのスロットの作製

手術中の様子

術創
当低侵襲医療センターでは手術と再生医療の組み合わせ がとてもいいと考えています。
小さな手術創と再生医療 で神経の再生を促すことができます。
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