健康診断の血液検査にて Alb(2.3 g/dl:参考範囲 2.6-4.0 g/dl)および TP(4.6 g/dl:参考範囲 6.0-8.0 g/dl)の低下 が認められた。追加検査にて、NH3(83μg/dl:参考範囲 16-75μg/dl)および TBA(53.0μmol/l: 参考範囲<25μmol/l)の高値、BCAA(329μmol/l:参考範囲 400-600μmol/l)の低下が認めら れた。TYR は参考範囲内であった。レントゲンでは小肝症が認められた。CPSS を疑い CT 検査にて 門脈造影を実施したところ単一肝外シャント(右胃静脈-後大静脈シャント)と診断された。
流涎および旋回運動などの神経症状が認めら れホームドクターを受診。血液検査にて NH3(431μg/dl:参考範囲 0-95μg/dl)および TBA(39.0 μmol/l:参考範囲<20μmol/l)の高値、BCAA(345μmol/l:参考範囲 400-600μmol/l)の低下、 TYR(67μmol/l:参考範囲 20-50μmol/l)の高値が認められた。CPSS を疑い CT 検査にて門脈造 影を実施したところ、単一肝内シャント(門脈-肝静脈シャント)と診断された。
両症例とも当院にて開腹手術を実施し、経腸間膜静脈門脈造影を実施したところシャント血管 は描出されなかった。3D-CT 画像を基にシャント血管を閉塞したが、結紮前後で門脈圧は変化し なかったため、閉塞した血管がシャント血管であるか否かを術中に評価することが出来なかった。 手術 1 ヶ月後に血液検査を実施したところ、両症例とも NH3、TBA および BCAA 等の異常は完全に 改善していた。再び CT 検査にて門脈造影を実施したところ、シャント血管は完全に閉塞しており 手術の成功が確認できた。 症例 1 では門脈に流入する胃・十二指腸静脈が非常に細かったため経腸間膜静脈門脈造影にて、 門脈 → 胃・十二指腸静脈 → シャント血管 → 後大静脈へと造影剤が流れなかったこと が示唆された。また症例 2 では門脈と肝静脈のシャント血管が非常に細かったため、経腸間膜静 脈門脈造影にて造影剤がシャント血管に十分に流れ込まず確認が不可能であったと考えられた。 通常、術中においてシャント血管結紮前後の門脈造影を比較検討して、シャントの閉塞を確認し ている。しかし今回の 2 症例は、シャントの閉塞が術後の CT 検査による門脈造影でしか確認でき なかった。今回のようなシャントタイプの手術を成功させるためには、術前・術後における CT 検 査での慎重な門脈造影の評価が必要不可欠であると考えられた。
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