乳び胸(Chylothorax)

特発性乳び胸の猫に対して胸腔鏡を用いて、胸管結紮と心膜切除を行った症例

他院にて乳び胸を診断され、当院へ紹介されてきた猫さんです。
CT検査の結果、特発性の乳び胸と診断されました。
正常な猫さんと比べて胸管から乳びが漏れていることが確認できます。(赤矢頭)

乳び胸(Chylothorax)
乳び胸(Chylothorax)
乳び胸(Chylothorax)
乳び胸(Chylothorax)

また、この症例は胸管が途中で2本に分岐していました。
事前にこうした情報を得られるのでCT検査は非常に重要です。

乳び胸(Chylothorax)
乳び胸(Chylothorax)

胸腔鏡で覗くと胸管がキレイに見えます(黒矢印)。
これを鉗子で丁寧に剥離していきます。

剥離し終えたら、チタンクリップで胸管を縛ります。
3-4本のクリップで縛ったところで片方の胸管結紮終了です。

乳び胸(Chylothorax)
乳び胸(Chylothorax)
乳び胸(Chylothorax)

反対側も同じように剥離していきます。
必ず、反対側の胸管も確認できるところまで剥離します。(黒矢印)

乳び胸(Chylothorax)

反対側もクリップ3-4本止めて、結紮します。
これで胸管結紮は終了です

乳び胸(Chylothorax)

心膜切除も行っていきます。
心膜の一部を吊り上げて心膜と心臓の間にスペースを作ります

乳び胸(Chylothorax)

心膜の一部を切開して超音波メスで剥離していきます。

乳び胸(Chylothorax)

心臓の周りの剥離を進めていきます。

乳び胸(Chylothorax)

心膜を剥離し終わり、心臓が見えました。
これでしっかり拡張できるようになりました。

乳び胸(Chylothorax)

来の方法よりもはるかに小さい傷で手術することができました。

術後はすっかり良くなりました。
ワーキングスペースがなく侵襲は少なく非常にいい手術になります。
乳び胸でお困り方は当院までご相談ください。
重本

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